中島健人とコンペティション部門の監督陣が登壇!『第39回東京国際映画祭』記者会見レポート(第2弾)
10月1日(木)に都内にて「第39回東京国際映画祭」のラインナップ発表記者会見が開催されました。
ゲストとして、フェスティバル・ナビゲーターを務める中島健人さんと、「コンペティション」部門作品より池田暁監督(『妖怪、化物をひろう』)、三島有紀子監督(『男ともだち』)、山本英監督(『過怠』)が登壇しました。

左より
池田 暁監督(『コンペティション」部門『妖怪、化物をひろう』)
三島有紀子監督(『コンペティション」部門『男ともだち』)
中島健人(フェスティバル・ナビゲーター)
山本 英監督(「コンペティション」部門『過怠』)
■中島健人とコンペティション部門監督陣によるトークショー
会見の後半では、フェスティバル・ナビゲーターの中島健人さんと、今年のコンペティション部門に作品が選出された監督陣がステージに並び、映画祭や作品に向けた熱い思いが語られました。世界中から優れた作品が集まるコンペティション部門について、監督陣それぞれが自身の作品に込めたこだわりや、東京国際映画祭という舞台への期待感を表現。ナビゲーターとして映画祭全体を見渡す中島さんも、映画監督やクリエイター、映画人たちとの対話や議論に大きな意欲を見せ、世代やジャンルを超えた映画談義への期待を膨らませました。
日本映画の繊細な表現力や、世界へ発信していくことの重要性など、映画を愛する者同士の深いリスペクトと熱量が交差する、見どころ満載のトークショーとなりました。

【INFO】
第39回東京国際映画祭
開催期間:2026年10月26日(月)~11月4日(水)
会場:日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区
公式サイト:www.tiff-jp.net
権利表記:©2026 TIFF
【関連記事(第1弾)中島健人インタビュー】
【池田 暁監督】
「この映画の初めての上映を東京国際映画祭で上映させていただけるということで、とても嬉しくおもいます。」と挨拶。「普段自分の作品が上映されない時は、観客としてよく観に来ていて、街の印象が強いです。映画を何本か観るとその間で、食事に行ったり散歩をしたりというのが結構あって、今で言うと銀座とか有楽町とかそこら辺の印象が強くて街と映画館が切り離せないような印象があります。」と本映画祭に対する印象を語った。

また、『妖怪、化物をひろう』の作品紹介では「タイトルからは想像しづらいかもしれないんですけど、今回は台湾の金門島というところで撮っていましてそこの風景は映画の一つの魅力かなと思っています。この映画自体は、実話ベースなんです。おばあさんが変な人間みたいな人間じゃない生き物を拾うという話なのですが、実際の話を聞いた時にそのおばあさんが、全然自分の血も繋がっていないし種族も違う生き物をすごい愛情を込めて育てたっていう話がとても僕の中で腑に落ちるものがあって人間の愛情の懐の深さを基本に描いています」と語った。
「東京国際映画祭って、普段観れなかったり、馴染みのない国とか文化の映画とか色々あって、それが僕に撮っては魅力的で毎年来ているんですけど皆さんも普段見ないような映画も含めて映画祭で観ていただけたら絵楽しめるのではないかなと思っています」と話し、映画の選び方については「適当に選ぶ。選ばないで観ると意外と良い出会いがある。これが映画祭らしい見方かなと思います」と話し会場は笑いで包まれた。

金門島での撮影について聞かれると、「金門島には飛行機を乗り継いで行かなくてはいけなかったので、日本人スタッフも現地スタッフも全員海外で撮影しているのと変わらず、予算的にも大変でした。他の日本映画でも金門島で撮影されていたりするので、あんまりロケ地の許可とかでの苦労はありませんでした。」と振り返った。
「今回の映画では僕とプロデューサーとカメラマン以外は全員台湾のスタッフで、仕上げも台湾のスタッフだったので、9割以上台湾のスタッフと仕事をさせてもらいました。なので、日本映画を撮っている感じはあまりなくて、新鮮な気持ちで撮らせていただきました。台湾のスタッフから学ばせていただくことも多かったですし、これから国際共同制作は増えていくような気がしていて、日本のスタッフさんも海外のスタッフさんも交流して一緒に撮っていくことが増えていくのではないかと思っている」と今後の映画界についても触れた。
<妖怪、化物をひろう>

◆公開日:12月11日(金)より、新宿武蔵野館ほか全国公開
◆配給:ハーク
監督・脚本:池田暁
出演:余 貴美子、オダギリジョー、リウ・グァンティン、トゥオ・ゾンホア、スン・クーファン、チェン・ヤオアン、レオ・ワン
【三島有紀子監督】
「コンペティション部門に選んでいただき光栄ですし、嬉しいですし、今日みんなスタッフとかキャストから『よかった』っていう声をいただいて今日代表でここに来ました」と挨拶。

『男ともだち』の作品紹介では「一人の自分の絵を描けていない絵描きの女性が主人公なんですけど、その女性が一人の男友達に再会して三つの夜を過ごします。そしてその三つの夜を過ごす中で自分自身が世界とコネクトしていく、世界を見るという行為があって、(主人公の女性が)どういう絵を描いていくのかという物語なんです。この物語を映画にしたいと思ったのがちょうどコロナのパンデミックで人に会えないみたいな時に、人と寄り添うのがどういうことなのかと考えだしたりしました」「広島のシーンで松岡茉優さんが今まで見たことのないお芝居をしてくださっているのでこれを観ていただくだけでも良いのかなと思っていますし、この主人公と共にこの世界はどうなっていくのかっていうようなことを一緒に見つめられたら良いなと思って作りました」と作品の魅力を語った。

また、本映画祭への印象を聞かれると「入り浸っています。この時期はほぼほぼ仕事を入れないようにしている。いろいろな方との出会いがある期間という印象があります。世界中から、予算がない中映画を頑張って作っている人たちが集まっているので、毎日映画を見た後にその人たちと飲みにいくというこの上ない楽しみを喜びたいなと思います」と答え、「プログラムを広げて、写真で役者さんが良い顔をしている。こういう芝居が観られるなら観たいなっていう作品に丸をつけていく。そして物語の内容を見ないようにして、何を感じさせてくれるかを重要視している」と映画祭での映画の選び方を語った。
さらに、「コロナパンデミックを経て、それぞれの監督が歴史であったりとか今自分自身が社会に対してどう思っているのかということを深く煮詰める時間があって生まれてきた映画が、たくさん公開に向けて進んでいるのかなという印象です。その一つ一つが作家性が強く、力強く描かれていますし、また、日本映画の強みでもあると思うんですけど、非常に長い年月をかけて技術が育ってきたと言う積み重ねに底力を感じています。」と日本映画の良さを熱く語った。
<男ともだち>

◆公開日:11月6日(金)より、全国公開
◆配給:ハピネットファントム・スタジオ
監督:三島有紀子
出演:松岡茉優、成田 凌、井上祐貴、中島 歩、咲妃みゆ、三浦貴大、余貴美子、池畑慎之介
【山本 英監督】
「素晴らしいキャストとスタッフに囲まれながら作っいった本作がこうして東京国際映画祭のコンペティション部門で上映させていただけることを本当に嬉しく思っております」と挨拶。

『過怠』の作品紹介では「原作を映画化させてもらったんですけど、韓国と日本の間で運命が入れ替わってしまう二人の女性の話で、運命が入れ替わってしまうというワードだけを聞くとちょっとファンタジックなものを想像されると思うんですけども、描かれているのはむしろ彼女たちの日常の日々であって、そういったものを大切にしながら撮っていった作品です。主演の二人が本当に素晴らしいのでぜひ注目して観ていただけたらと思います」とキャストにも言及しながら紹介した。
また、山本監督のこだわりも聞くことができた。「自分の中では綺麗な景色ではないものが必要な気がして、それは普段僕たちが何気なく通っている道であったり橋であったり、そういったところにそれぞれの国の生活というものが落ちているような気がして、どこにでもありそうなものを切り取っているので、自分たちの生活にある近さを切り取ることが強さになると思う」と語った。

さらに、「自分の作品を上映していただくのは初めてなんですけど、観客としてはいろいろな部門を行ったり来たりしながら見ていたので、(本映画祭には)親しみもあるなという感じです。」と本映画祭への印象を語り、「映画祭って特別なものだなと思っていて、集中的にたくさんの映画を観る体験って普段はできないと思うんですね。知ってる方と出会ったりとか知らない方と出会ったりしてお話とかをしながら育まれるものがあるなと思っているので、ぜひ観てくださる方も色々な作品を観ていただけたら嬉しいなと思っております」と映画祭の魅力も語った。最後には、「評判も聞いてないし、知らない監督、知らない出演者という映画を一本は観てほしいなと思います。映画祭ならではの見方だと思います。あとは二本以上見ると一本見た時とは違う感覚がある。二本見た時に感じる感情を感じてほしい。」とこれから映画祭に足を運ぶ人に向けてもコメントをした。
<過怠>

◆公開日:2027年2月5日(金)より、全国公開
◆配給:NAKACHIKA/ フライフリーエンターテイメント
監督:山本 英
出演:唐田えりか、知英、金子大地、荒木飛羽、鈴木卓爾、吉岡睦雄、キム・ジョンヨン、キム・ハクソン、
坂井真紀、黒沢あすか
【INFO】
第39回東京国際映画祭
開催期間:2026年10月26日(月)~11月4日(水)
会場:日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区
公式サイト:www.tiff-jp.net
©2026 TIFF
「HIBIYA CINEMA FESTIVAL 2026」
2026年10月9日(金)から10月25日(日)まで、メイン会場となる東京ミッドタウン日比谷 日比谷ステップ広場では、パブリックスペースでの映画上映とともに、国内外の映画賞・映画祭と連携し、映画や原作者を招いた全14回のトークプログラムを実施。

<HIBIYA CINEMA FESTIVAL 2026トークブログラム 全14回一覧>
(日程・上映作品・登壇者)
10/8(木)『一月の声に歓びを刻め』前田敦子さん(俳優)、伊藤さとりさん
10/9(金)『青春 18x2 君へと続く道』藤井道人監督、凪良ゆうさん(作家)
10/10(土)『佐さんと佐藤さん』天野千尋監督
10/11(日)『徒花-ADABANA-』甲斐さやか監
10/12(月・祝)『マダム・イン・ニューヨーク』新谷里映さん(映画ライター)、佐藤美鈴さん(朝日新聞映画記)
10/17(土)『てっぺんの向こうにあなたがいる』阪本順治監替
10/18(日)『ホウセンカ』木下麦監督
10/19(月)『かくかくしかじか』東村アキコさん(漫画家)
10/20(火)『敵』吉田大八監督
10/21(水)『木挽町のあだ討ち』源孝志監督
10/22(木)『片思い世界』土井裕泰監督
10/23(金)『風のマジム』芳賀薰監督
10/24(土)『ふつうの子ども』呉美保監
10/24(土)『土を喰らう+二ヵ月』キノ・イグルー 有坂さん
「HIBIYA CINEMA FESTIVAL 2026」


【感想】
私自身、映画が大好きなこともあり、今回東京国際映画祭ラインナップ発表記者会見を取材することができ非常に嬉しく思っており、貴重な体験でした。監督やディレクターの方々のお話を聞く中で、一つ一つの作品に込められている思いの大きさや重さ、そしてその作品を作り上げるため国境や言語の壁をも超える人と人とのつながりに感銘を受けました。映画をはじめエンタメには人の心を動かす力があると感じていますが、それは作り手の作品に対する熱い想いがあるからこそだと思い知らされました。これからも、作り手の想いをしっかりと受け止めながら一つでも多くの作品を味わいたいと思います。
◆取材・文:関ことは(早稲田大学)
◆撮影:編集部
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