【インタビュー】『企業からのメッセージ』<第一回>「ゲーム開発販売会社」編
- プロジェクト事務局 Scketto
- 10月11日
- 読了時間: 8分
更新日:7 日前
学⽣リポーターによる企業インタビュー企画『企業からのメッセージ』の第一回がスタートしました。
この記事を通して、学⽣のみなさんの「この業界で働きたい!」と思えるような企業・業界を知るきっかけになることを⽬指しています。
第一回⽬は、ゲーム開発販売会社、代表取締役社⻑の関さんと有限会社TRYANTS 代表取締役の濱⽥さんにお話を伺いました。

写真左から
関 純治さん(ハッピーミール株式会社 代表取締役社⻑)
濱⽥ 勇さん(有限会社TRYANTS 代表取締役社⻑)
まずは、関さんからお話を伺いました。
:お仕事の紹介をお願いします。
ビデオゲームの制作や開発、販売を⾏っています。 ゲーム会社には様々な種類があり、私たちはインディーゲーム会社(少⼈数でゲーム開発をする)という分類になります。 ⼩規模な会社ではありますが、⾃社で制作から販売までの過程を⾏います。また、⼤⼿企業のゲーム制作のお⼿伝いをすることもあります。
:なぜこの業界を⽬指されたのでしょうか?
⼦供の頃からゲームや物作りが好きで、常に何となくゲーム制作に携わる職業に就きたいと考えていました。しかし、当時は個⼈がゲームを開発する機材はおろかインターネットの環境すら無かったので、ゲーム業界に⼊る⽅法がわかりませんでした。 そんな中、私が⾼校を卒業する⼀年前くらいに、運良くゲーム制作の専⾨学校が開校され、ゲーム業界を⽬指すルートができたことで本気でこの道を⽬指すことにしました。
:この業界やお仕事の魅⼒は何ですか?
⾃分が作ったゲームを、多くの⽅に⾒てもらいつつ反応がわかりやすいところですかね。 ⾃分たちで作り上げたものが販売されて、多くの⼈からの反応を⾒られるのが最⼤の魅⼒です。 (会社には、関さんの会社が制作したゲームやゲーム機のコレクションが並んでいる。)

:⼤変だと感じることは何ですか?
ゲーム制作で⼤変だと感じたことは⼀度もないです。 もちろん仕事上で上⼿くいかずに悔しい思いなどをすることはたくさんありましたし、今もあります。ですが、私は好きなことを仕事にしているので、⼤変さや苦しさより楽しいと感じることの⽅が多いです。それは最⾼に幸せなことだと思っています。
:この業界はどのような学⽣におすすめできますか?
当たり前ですが「モノづくり」が好きな⼈におすすめです。 ただ、それを仕事にするのなら、何かを始めたらどんな形でも良いのでそれを最後まで完成させ、作品にすることが⼀番⼤事だと思っています。 新しいことを始めた時、思ったようにできなかったり、できても⼈より劣ったものにしかならなそうになると思います。だとしても、その悔しさ、負けを認めながらも完成させること。成⻑は何かをやり遂げた上でできるものと思っています。
あと、「いつかやりたい!」というのは良くないです。何かを始めようと考えたら、すぐに⾏動に移し、それを最後までやり切る。「モノづくり」を仕事にする場合、⼀番難しく重要な事だと考えています。
:起業をしようと思ったきっかけは何でしょうか?
私の場合、残念ながら起業を望んでいたわけではありませんでした。 かつて、⼩さなゲーム会社の幹部の⼀⼈として働いていた時があったのですが、ある⽇突然その会社が閉鎖するという話になりました。
その後、紆余曲折があって⾃分が新たな会社を設⽴すれば、閉鎖する会社からこれまでのやってきた事業を引き継ぎ、会社を存続させることができるということになりました。 それが、その時やっていたことを継続する唯⼀の道だったため、仕⽅なく起業に⾄りました。
:実際に起業をしてみて、良かった点・⼤変だった点を教えてください。
良い点と⼤変な点は表裏⼀体。⾃分で全部決断できて⾃由な反⾯、全責任が⾃分にあるから安定した⽣活は望めません。特にお⾦に関する事がとても悩ましい問題となり、のしかかってきます。 経営側は社員の⽣活を守ることは第⼀に考えなければならず、⾃分の事は何でも後回しになります。「社⻑」と⾔えば⾼給取りをイメージしがちですが、それは⼤企業の社⻑においての話で、ほとんどの「社⻑」は間違いなくお⾦で苦労しています。ただ、起業は⾃らの責任、リスクを負ってやりたい事を挑戦できるという⼤きな魅⼒があります。もし安定した⽣活を求めるのなら少しでも⼤きな企業に属する事に注⼒すると良いでしょう。
起業を考えている学⽣には、⼀度、どこかの企業に属することを強くおすすめします。実際に「雇われる」の⽴場で企業のシステム、実態、不条理さ等を体感しておくことは⾃分が起業する際に必ず役⽴つと思います。
:学⽣時代の後悔はありますか?
後悔は無いです。今までの⼈⽣全てのことに関して、やれることはやってきました。 強いて⾔うなら、世界をもう少し早く⾒たかったですね。ネットや本に書かれている情報と体感は違うと思っています。情報はあくまで⼈の感想であり、⾃分⾃⾝の意⾒、感想を持つことが⼤切です。グローバル化が進む中で、外国⼈の⽅とも⼀緒に仕事をしていかなければいけないからこそ、海外を知っておくことが重要です。
:⼈⽣が⼤きく変わった出来事はありますか?
2 つあります。1つ⽬はアメリカに⾏ったときです。エンターテイメントのスケールの差に衝撃を受け愕然としました。また同時に良くも悪くも⾃分らしさを持って⼈⽣を送っている⼈々に圧倒され、ある意味で感銘を受けました。アメリカという国の環境、モノ、⼈、あらゆる⾯から⾃分の⼩ささを痛感しもっと他国への知⾒も広げなければならないと強く思うようになりました。
2 つ⽬は外国⼈と英語で会話をしていた時です。私は英語が得意ではないのでそれを常々恥ずかしく思いながら現地の⼈と接していました。ある⽇、会話の中で私は「お恥ずかしながら、うまく英語を話せない・・・」というような話をしたところ、相⼿の⽅から「お前は俺と英語で会話できているのに何が問題なんだ?お前はすごい、俺なんか⽇本語を全くできないぜ。」と返されたのです。その⾔葉を貰った後、⾃分に⾃信を持ち何事にも臆することなく未知の領域へチャレンジすることができるようになりました。
:今の学⽣に伝えたいことをお願いします。
やれることはやった⽅が良いと思います。無茶できるのは若いうちですし、年をとっていくと体⼒的な問題も出てきます。⾊々な体験を通して⾃分の引き出しを増やすと良いと思います。 グローバル化が進んでいる時代。だからこそ、⽇本の外のことを知るのは⼤きな意味があると思います。国外での体験が新たな⾃信を⽣み、この先の⼈⽣においての⼤きな糧になるでしょう。
:⼤切にしている⾔葉はありますか?
「思い⽴ったら即⽇」。「 吉 ⽇ 」 でなく、私としては「即⽇」です。 やろうと決めたら即座に実⾏する。そしてそれを何としても最後までやり切ることを肝に銘じて仕事や遊びに臨むようにしています。

同じゲーム制作業界の濱⽥さんにも少しだけお話を伺いました。
:なぜこの業界を⽬指されたのでしょうか?
ゲームが好きだったということが⼀番の理由です。またパソコンやプログラミングも好きだったので、学校卒業後はゲーム開発会社に就職するのが希望だったのですが、当時はまだゲーム業界が⼀般的に認知されておらず、先⽣や親から「もっとまじめに考えろ!」と怒鳴られ、⼀旦はダムを管理するソフトウェアの開発会社に勤め、測定した⽔位を記録するシステムを作っていたこともあります。それはそれで⼤変楽しく勉強にもなったのですが、ゲーム作りをしたい思いは消えず、そこは⼀年でやめて、⼤⼿のゲーム会社に転職しました。
:この業界やお仕事の魅⼒は何ですか?
ゲーム制作の魅⼒は「新鮮さ」にあると思います。同じような作業をしているように⾒えても実際は毎回違うことをやっているため、ぶつかる問題も様々で⾯⽩いんです。新鮮な気持ちで仕事ができます。
:⼈⽣が⼤きく変わった出来事はありますか?
最初のゲーム会社に勤めていた時に、他のゲーム会社に呼んでもらえた時です。とても嬉しかったのを覚えています。新しい会社ではリーダー的な役割を与えられ、喋りが得意ではない⽅でしたが、⾃分の中で意識が変わりました。
1 年半~2年ぐらいかけて(当時としては⽐較的⻑い⽅でした)ゲームを作ったことがあります。会社で寝泊まりして作ることもありました。⾁体的には⾟い時間でしたが、充実感はあったので辞めようとは全く思いませんでした。ゲームを作ることが好きだったので、合宿のようで楽しかったです。
:今の学⽣に伝えたいことをお願いします。
「仲間をいっぱい作る」ということを⼤切にして欲しいです。昔はネットがなくて世界が狭かったこともあり、気の合う友達と⾔えばせいぜい学校内の友達だけだったのですが、⼀緒にゲームや占いなどを作っていました。40年くらい経った今でも付き合いはあります。年を取ってからだと、作れる仲間と⾔ってもなんだかんだで取引先のような関係になってしまうことが多く、腹を割って話せる間柄にはなかなかならないですね。
あと、英語をはじめ外国語の勉強は⼤切です。特に最近は海外の⼈とお仕事をする機会も多いです。 最後に、若い時は失敗を恐れなくて良いです。周りは思っているほど⾃分のことを⾒ていないものなので気にする必要も無いですし、むしろ失敗することで成⻑出来ることは本当に多いです。やりたいことがあるなら何でも挑戦してみてください。
:⼤切にしている⾔葉はありますか?
「⾯⽩そうだったらやってみる」ということですかね。 ゲーム業界は、興味がないと続きません。また、ゲーム業界に限らず、仕事は好きかどうかが⼤切だと思います。好きじゃない仕事を続けることは精神的に⾟いんじゃないかなと思います。⾃分に向いている事が直ぐに⾒つかるかどうかは運もあると思いますが、チャレンジしないと始まらないことには変わりはありませんね。
関さん、濱⽥さん。お忙しい中、取材へのご協⼒ありがとうございました!
【感想】
今回は、ゲーム制作業界でお仕事をされているお⼆⼈にお話を伺いました。「1つの作品に対する熱量や、始めたら終わらせるまでやり通す」という姿勢に感銘を受けました。新たなことを始めることはできても、やり切ることができる⼈は少ないのではないでしょうか。学⽣には⾃由に使える時間が多いからこそ、様々な経験を通して、⾃分⾃⾝の興味の⽅向を⾒つけることに意味があるのではないかと考えさせられました。そして、⾒つけた興味の⽅向が勉強でも、スポーツでも、趣味でも、やると決めたらやり切ることが私たちの成⻑には必要なのではないかと感じました。(関ことは)
【企業情報】
ハッピーミール株式会社
有限会社TRYANTS
取材・⽂:関ことは(早稲⽥⼤学)






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