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31文字に詰め込む青春・宮田愛萌さんが描く短歌甲子園シリーズ第2弾『夏までに』発売記念会見に登壇!――「より良い歌を」(写真13枚、動画有)


宮田愛萌『夏までに』発売記念会見文筆家として活躍する宮田愛萌さんの新刊『夏までに』(講談社)の発売記念会見が、8月22日にブックファースト新宿店にて行われました。 



本作は、前作『春、出逢い』に続く「短歌甲子園シリーズ」の第2弾。短歌甲子園を舞台に、高校の文芸部で情熱を燃やす女子生徒たちの等身大の青春を描いた王道の部活青春小説です。劇中には宮田さん自身が書き下ろしたオリジナル短歌が約60首収録されており、物語を鮮やかに彩っています。



【囲み会見】

――最初に「夏までに」は初のシリーズ化小説、そしてあの一作目の「春、出逢い」が初の文庫化ということについて、気持ちを聞かせてください。

 

 お気持ちは、とても嬉しいです。(会場が笑いに包まれる)

笑わないでくださいよ。「春、出逢い」が出た時に、みんなにじゃあ次夏じゃんみたいなことを言われていて。軽い気持ちで言ってるだけだと思ったら、やっぱ世の中には言霊というものがありまして、本当に書く流れになって、結構うそでしょって思って怯えていたんですけれども、意外と書いてみたらめちゃめちゃ楽しくって。シリーズで続きだからこそじゃあどういう風に書こうかなとかを考えてる時間がめちゃめちゃ楽しかったので、なんか嬉しいなって思います。本当に言霊ってあるので、皆さん気をつけてほしいなっていう気持ちで。



 文庫化は、めちゃめちゃ文庫本になるって憧れなんですよ。皆さんも多分本屋さんでこうなんか文庫本の棚にって、自分だったら何色にしようかなって考えたこととかは一度はあると思うんですけど、それを私は週に 3回ぐらいやってるタイプの中高生の世代を過ごしてきたんですね。なので今回本当に実際に自分でこの背表紙の色を決めて。この文庫本の新刊のところに私の名前があるっていうのがめちゃめちゃ感動して。もう本屋さんで乱獲したくなりましたね。

 


――二つ目に、本作と「春、出逢い」と続いて小説のご執筆だけじゃなくて、約 60種の短歌をご自身で詠まれましたが、その苦労した時や工夫した点をお聞かせください。

 

 そうですね。苦労した点はもう本当に一作目と変わらずにいろんな人の歌を読まなきゃいけなくて、自分の短歌になっちゃいけないので、そこがすごいやっぱり大変で。なんか私だったらこここうしないけどなとか。ちょっとここ気に入らないなって思っても、それは私が考えた、私がいいと思うものであって、登場人物がいいと思うものではないので、そういうところをすごい気をつけながら作りましたね。

 これで言うと「夏までに」は結構ライバルみたいな関係性、女の子たちのそういう関係性があったので、なんかちょっとそれを意識しているといいのかなとか、意識してるけども意識してないようにしてる歌とかを作りたいなと思って、できてるかわかんないんですけど、そういう風にちょっと作りました。


 

――続きまして、今作は宮崎県日向市で行われている牧水・短歌甲子園が舞台となっている小説ですが、今大会にも宮田さんがゲストで登壇されてます。そこで高校生に実際に取材をさせていただいたと思うんですけど、その大会の観戦したりとか、実際に高校生と触れ合ってみたのがどういうところが執筆に活きたな、と思いましたか。

 

 えー、そうですね。なんか高校生って眩しいなってやっぱり思いましたね。昨日、私電車で女子高生に囲まれまして。ちょうどね、あの学校の終わりの時間が被ってしまって。女子高生5人と私と一緒に縁になって。私も JKみたいな感じでちょっと喋ってるみたいな雰囲気でちゃって、それで 4駅ぐらい過ごして本当に気まずい時間を過ごしたんですけど、そのときに友達に、「気まずすぎるもう10個も違うんだよ」って自分で書いた時、え 、10個違うのって思って。確かにこれ書いてる時に、なんか若いなってすごい思っていて。実際に高校生の歌を見ると、そんな気はあんまりしなかったりとかして。歌だけで言うと、全然なんかすごい若いなみたいな感じはしないんですけど、読んでるとなんかちょっと高校生の雰囲気があるんですよ。なんかそういうみずみずしさみたいなものがあって、なんかそれはすごいいいなと思って。羨ましいなってすごい思いましたね。懐かしさもありつつ、やっぱり部活に捧げてる高校生ってすごいいいなって思って。かけたらいいんだけどなって思いながら取材しました。

 

質疑応答にてわたしからも愛萌さんにお伺いさせていただきました。

 ――私自身も短歌甲子園に出場した経験がありまして、ちょうど宮田さんからあの盾をいただいた時の初めての者だったんですけれども、そんなわけで、読んでいてすごく短歌甲子園という大会のあの「3人で1チームになって戦う」っていうところが、物語に生きていてすごいなって思っていたのですが、宮田さんは短歌甲子園のどんなところに面白さを感じていらっしゃいますか。

 

やっぱり。笑 そうですね。それこそ本当にチームで、3人で歌を事前に読んで、じゃあこここう言おうかとか話し合って。で、代表で言って。その時もなんか壇上でチームで3人でちょこちょこ話したりとかしてるんですよ。そういうのを見て、こうじゃあ行くね、みたいな感じがあったりとか。それから、今回はちょっと袖から見させていただいたんですけど、袖で見ているとまた終わった後にちょっと緩んだ時のこの関係性だったりとかがあって。そういう1チームで戦ってるっていうのがすごくやっぱり短歌甲子園の独特なものだなと思っていて。そこが本当に魅力で。ディベートがあるんですけど、日向の方は。ディベートの時も相手をこう突っ込んで、相手の歌に突っ込んではいくけど、それによってまた読みが深まってくっていうのがめちゃめちゃいいんですよ。それがやっぱり本当に魅力で、そういうところをかけたらいいなって思いながら書いたので、やっぱりそこが一番好きです。



 

――前回「春、出逢い」で今回「夏までに」といってるので、春・夏で、次に秋・冬で続くんだろうなと勝手に想像したんですよ。けどあれよくよくよく見ればまあ作品の短編集のタイトルが「夏までに」とか「春、出逢い」と。キャラクター名が入って書いてあるじゃないですか。じゃあ大きなタイトルなんだろうって思った時にあるのかないのか、最後に宮田さんが大きな話で、実はこれ短歌甲子園シリーズというそういうのなのかなと思うし、作品読んでてなんだろうという疑問がありまして。あったらいいですし、あとまあまた秋・冬が出るとしたら、本当に期待してますけど、その時にばらしますも、なにかあれば。まぁ秘密ですってだったらそれも。

 

 じゃあえっと何でも考えてなかったので秘密ってことにしていいですか。ここからなんかそれこそタイトル毎回担当さんがつけてるんですよ。担当さんに聞きます?

 

書籍担当:今回は「夏までに」は実は第一話の東雲菜海ちゃんっていう子のセリフから抜いていて。夏までにその自分のライバルに追いつくんだっていう決意をするところがあるんですけど、そこから夏までにっていうのをつけたんですけど。その後、「春、出逢い」もそうだったんですけど、「夏までに」も各話のタイトルで短歌を作らなきゃいけないというお題があって。夏までに、をつけてしまって、その後、短歌の続きをつけてるんで。あの最初から考えてるわけではなくて、結構後で考えながらつけました。

 

 毎回私の方のタイトルは担当さんが苦しんでつけてるっていうのは恒例で。


カメラマンよりいろいろなポーズを求められて、ピースをしました 
カメラマンよりいろいろなポーズを求められて、ピースをしました 

――宮田さんと担当さんが話し合って決めた内容になっているんですね。もしかすると冬はまあ秋か冬とかなんかになるかもしれないし、逆にそれてるも可能性もあるということですね。

 

 秋か冬と言うと出ちゃうんですけど。さっき言う通り言霊ってあって。危ない危ない。まだね、高校生の短歌の大会が 2つあるんですよ。高岡と鳥取とあって。あるじゃんって言われてしまうとああすいません売れたら、ってなるんですけど。じゃあもし全部、4冊出たらシリーズ通したタイトルつけましょうか、総合タイトル。新しいタイプですよね。出てからつける、なかなかないですね。宣伝ぜひお願いします。売れないと出ない。



――競技性のある短歌みたいなのとか初めて見た感じがするんですけど。キャラクターとして書いいたわけじゃないですか。競技性の短歌を。それとナチュラルな短歌みたいなもののその違いみたいなの書いてて感じましたか。

 

 あんまり感じてはなくって。どちらにしてもより良いものを作りたいっていうのは変わらなくって。実際に高校生とかに聞いてないからわかんないんですけど、多分みんなでもそんなに大会だから、みたいなので出してるよりは、やっぱり大会らしさみたいなものを意識するよりは、本当に良い歌を作ってる人の方が多いなと感じていて。よく高校生が高校生らしさみたいなものを言われたくないって言うんですよ。なんかそういうのとかもやっぱ繋がるのかなと思っていて。確かに高校生らしいって。私も高校生の時に言われてたらすごい、は、ってなってたなとは思うので。でも大人って言っちゃうんですよ。高校生っぽいなっていうのがわかってて。具体的に言うと例えば移動が自転車とかそこまで遠くに行けないとか、買ってるもの、学校帰りに買うものとかって大学生と高校生とか大学生以上とって全然違うじゃないですか。そういうところで大人になると高校生らしさって感じてしまうんですよね。やっぱりちょっと本当に。そういうの聞くと、あ、そうだよね、ごめんって思いながら。素晴らしいなと思ってしまうんですけど。でも本当にみんな多分変わらずに、より良いものをと思っていると思うので、私もそういう感じで作りましたね。


 

――もうちょっといいですか。講評も自分で書いてるわけじゃないですか。その時の心境っていうんですか。

 

 やっぱいい歌だよなって思いながら。

 

――思いつつも作品内で講評していく、という?

 

 そうですね。自分の中で、人格がいっぱいあるんですよ。まず私、小説を書くとき、いつも頭の中にいる役者さんに、役、この役やってくださいって言って、エチュードやってもらって書いていくっていうスタイルなんですね。なので、あの意地悪な気持ちで突っ込んでいってください。絶対勝つぞって気持ちに突っ込んでいってくださいって言って。じゃあこういう質問出そう、とかっていうのを出してくれるので。それを書いて、書きながら「うー、確かに」「くー、そうだよないやでもでも」みたいな感じでやり取りしながら書いてますね。



――ちょっといろんなところに聞かれてるかもしれないですけど、一つは短歌の魅力を改めて伺えればということ、もう一つは今回、登場人物にあたる先生が一番宮田さんの年齢に近いのかなと思うんですけど。この先生、家帰ってきてすごい飲むみたいな。ああいうキャラはちょっと自分に近い部分とか反映されてる部分であるんでしょうか。

 

そうですね。まず短歌の魅力で言うと、やっぱりこの 31文字っていう限られた文字の中で、どれだけの思いを詰め込んで、どれだけの思いを削ぎ落とせるかっていうところにあると思っていて、何を書いて何を書かないかっていうのがすごい大事で。それをまた作者の手を離れたら、今度自分で自由に読み取ることができる。この歌ってここがいいよねとか、ここってこういうことなのかなって想像するのってすごく自由で。自分だけのものになっていって、そこでなんとなく、歌との対話ができるなと思っていて、そういうのが実際に自分で読んでいる時の魅力だなと。読むと詠むで紛らわしいですよね。笑 鑑賞する時の魅力だなと思っていて。自分でこう実際に作るときは、音の響きとかを小説よりももっともっとこだわって表現とかを漢字ひらがなカタカナとかじゃ一文字開けてみるとか。そういう目で見た時、声で読んだ時。響きとか、そういうものの違いがあったりとかして、そこを含めてこう作っていて楽しめるのが短歌だなと思っています。

 で、2点目は、先生はモデルがいるわけではないんですけど、私が 2年前かな? に、私がめちゃめちゃ大好きな英語の恩師がカナダにいて、カナダに会いに行ったんですよ。その時に先生に話を聞いたら、なんか当時はなんか私も当時付き合ってた人から全然連絡返ってこなくってだから授業始まる直前までスマホ見てってでも終わった瞬間スマホ見てもういいって言って、そのまま飲みに行ったりとかしてって言ってるのを聞いて、先生って人間だったんだって。なんか当たり前なんですけど、すごいそこで改めて気づいて。なんかそういうのをかけたらいいなとは思っていて、そこから短歌甲子園のこの本を書くために、実際に光陵高校さんに取材に行かせていただいた時に、光陵高校さんの顧問の先生がすごく生徒のことを思って、考えて、いっぱい指導して、っていうことを一緒にやっているのを見て。やっぱり先生を書きたいなって思ったのきっかけで。

 ワインのくだりとかは実際に私がその英語の先生のことが好きすぎて、その前は英語を全然やる気なくて、本当に30点とかだったのが、その先生になった瞬間に、90点まで点数上がったんですね。で、先生が私にテスト返しながら、もう本当にこの丸つけで採点終わった後のワイン本当に美味しかったわって。ワインが進んじゃったって言われて。それをずっと覚えてて。先生にそれを言ったら「私、そんなこと言ってたの」って笑ってたんですけど。それを覚えてたのでちょっとなんか終わった後にワインの先生っていいよなって思って。あのいわゆる癖を詰め込んだみたいなところですね。実際私まだワイン飲めないんですね。ちょっと渋くて。そんな感じです。



――今回作品を読ませていただいた時に、短歌って単語が、記号が、繋がって、文学的になって、芸術作品になって、それがひとつの物語になって。その物語がどういう風に繋がっていくか、とかちょっと難しくて申し訳ないですけど、ストーリー、物語を物語ベースで、まず作るのか、それとも単語を一つずつあてはめていって、それでまた先のひらがなカタカナとかそとかっていうので、どっちが多いかって、片方に寄って使ってるとは思わないので、どういう感じで作られているかという裏話みたいなのを教えてほしいです。

 

 そうですね。物語ベースなのが多いのかなと思っていて。単語、この単語を使いたいで歌作る時もあるんですけど、そういう時も景色を浮かべて、人を浮かべて、とやって作っていくんで。それがベースかなと思っていて。あとはこう自分の中でなんかまあこれはこうでしょうって。これはこうくるでしょうってなんか思う。思うので。

 

――気持ちがもう結構強く出てるって感じ?

 

 そうですね。ここに来たら、この単語だなって。あるべき姿に戻すみたいな気持ち。


――かっこいいですね。

 

 かっこいいですか、えじゃあ絶対書いてください。

 

質疑応答終了後、会見が終了いたしますと愛萌さんの担当の方が仰り場が拍手に包まれたのち、みなさんお忘れものないように、失礼いたします、とやさしいお声がけまでありました。

 

【書籍あらすじ】

中学から文芸部で、ずっと短歌甲子園に憧れてきた東雲菜海。短歌への熱意には絶対の自信を持っていた。いっぽう、自分の好きなようにずっと一人で短歌を作っていたという、天真爛漫な神安海禾。そんな二人が、星澤高校文芸部で一緒に戦うことになる。かけがえのない日々を一秒もあまさず短歌に詠みあげる、彼女たちだけの青春。


【プロフィール】


撮影:井上佐由紀
撮影:井上佐由紀

宮田愛萌(みやた まなも)

1998年4月28日生まれ、東京都出身。2023年、アイドル卒業時にデビュー作『きらきらし』を上梓。現在は文筆家として小説、エッセイ、短歌などジャンルを問わず活躍。著書に『あやふやで、不確かな』『おいしいはやさしい』など。 


撮影:井上佐由紀

スタイリスト:鈴木倫香

ヘアメイク:相場清志(eif)

アートディレクション:高倉健太(GLYPH Inc.)

 

【書籍情報(INFO)】


©宮田愛萌『夏までに』/講談社
©宮田愛萌『夏までに』/講談社

タイトル:『夏までに』 

著者:宮田愛萌 

発売日:2026年8月5日 

定価:2,090円(税込) 

仕様:四六判 232ページ 

出版社:講談社 

 

【「短歌フェス2026夏」について】

宮田愛萌さん主導で「短歌フェス2026夏」というプロジェクトも始動。ブックファースト新宿店様とSHIBUYA TSUTAYA様合同のスタンプラリーを開催。詳細は下記URLから公式サイトをご覧ください。

 

【感想】

今回の取材については、取材に来ませんかというお話があったときに、私自身が高校時代に短歌甲子園で盾を愛萌さんからいただいたこととか、それが今でも夢に出てくるくらい夢中になったことであるとか、そういう理由で「お願いします、どうしてもお願いします」と私の方から強く志望させていただき引き受けさせていただきました。実際に「夏までに」はもう何回も読み返していて、盛岡の全国高校生短歌大会、日向の牧水・短歌甲子園、高岡の高校生万葉短歌バトル、鳥取の万葉の郷とっとりけん全国高校生短歌大会といった短歌のそれぞれの大会へのリスペクトや、それぞれの大会に出場する高校生への想いが詰まっていて、はじめて読んだとき、高校時代を思い出して泣いてしまいました。高校生の葛藤はもちろん、収録されている短歌のひとつずつまでも面白い本です。取材で伺ったときの愛萌さんの笑顔を思い浮かべながらわたしももう一度読み返します。みなさんも、ぜひ。(金光舞)https://x.com/my_knmts


 

取材・文:金光舞(福島大学) 撮影:編集部、公式提供使用



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