ファントムシータ 1st LIVE 2024 「ハイネ」今大注目のAdoプロデュースアイドルが、初の単独公演で日本武道館を沸かす!
2024年11月1日(金)夜、Adoプロデュースアイドルのファントムシータが初単独ライブ「ハイネ」を日本武道館で開催した。
Adoがプロデュースを手がけるレトロホラーをコンセプトに活動する5人組のアイドル。
メンバー:もな / 美雨 / 凛花 / 灯翠 / 百花
漢字表記は 『怪忌蝶』
現代のアイドルを「蝶」とするのなら、ファントムシータはそんなアイドル業界にとっては異端な存在である「蛾」
怖いとわかっていても手を伸ばしたくなるような、恐ろしくて、美しい。「アイドル」という言葉に相応しいアイドルになって欲しいという願いが込められている。誰かにとっては新しく、誰かにとっては懐かしい。本当の日本のアイドルがここにいる。
今回は、ライブパフォーマンスをリポートする。
【オープニング】
オリジナル曲「おともだち」・「花喰み」、そして戸川純cover「好き好き大好き」の3曲を続けて披露。
「キミと××××したいだけ」でお馴染み、黒と赤の色味でレトロホラーのコンセプトにマッチしたセーラー服の衣装で登場した。冒頭から圧巻の表現力で会場中を彼女たちの世界観に引き込み、曲間はメンバーの名前を叫ぶ声が止まなかった。
観客の盛大な拍手が鳴り響くなか、メンバーの自己紹介タイムへ。1人ずつ会場へ来た“ハイネ”(ファンネーム)に感謝の言葉やライブの意気込みを述べた。「絶対忘れられない1日にしてみせます!(もな)」、「今日は皆さんにお会いできて感無量です!(美雨)」、「ファントムシータの恐ろしくも美しい世界観を存分に楽しんでいってください!(灯翠)」などと、笑顔でハキハキと話した。
続いて披露したのは、オリジナル曲「乙女心中」・「魔性少女」。「乙女心中」でセンターを務める百花のソロ歌唱で、MCで緩んだ会場の空気が一気に引き締まる。10月16日(水)に放送されたフジテレビ「クラウドナイン5周年特別番組『雨音』」でも披露した「魔性少女」でさらに会場を沸かせた。
5曲目の「ラムのラブソング(うる星やつら)」の前に衣装をチェンジ。ふわっとしたスカートの可愛さと、鮮やかな赤色の鋭さが、恐ろしくも手を伸ばしたくなるファントムシータのアイドル像と重なり、目が釘付けになる。デザインや髪飾りがメンバーによって少しずつ異なるのもポイントだ。「ラムのラブソング」では、前奏が流れると共に歓声が上がり、小悪魔感あふれるパフォーマンスで観客の心を掴んだ。
【ソロパート】
メンバー5人が1人ずつパフォーマンスをするソロパート。もな、凛花、百花、美雨、灯翠の順に披露した。
もなが歌ったのは松田聖子の「SWEET MEMORIES」。大人な雰囲気でしっとりと歌い上げた。曲終わり、背中を向けた彼女が客席を振り向き微笑んだ瞬間会場中にときめきの歓声が沸き起こった。続く凛花は、ステージ前方からいきなり登場し、中森明菜の「少女A」を披露。クールかつ哀愁漂うパフォーマンスで観客を魅了した。百花は椎名林檎「歌舞伎町の女王」を歌唱。スタンドマイクを見事に使いこなしながら、圧巻の歌声を響かせた。そして、初音ミクの「ジャックポットサッドガール」を歌った美雨。狂気の歌声と叫び、全身を使った魂のパフォーマンスで強烈な印象を残した。ソロパートのラストは灯翠。ステージの下から登場し、甘くもどこか恐ろしい魅力的な声で観客を歌唱に巻き込みながら「ちゅ、多様性」を披露した。
ライブの後半は「asphyxia( Cö shu Nie)」、初披露の「HANAGATAMI(オリジナル曲)」、「サイレントマジョリティ(欅坂46)」と続き、最後は代表曲「キミと××××したいだけ」で締めくくった。
鳴り止まないアンコールの声に応え、新しい衣装を纏い再び現れた5人。それぞれメンバーカラー(もな:桃色、凛花:紫、美雨:白、灯翠:緑、百花:水色)のスカートで登場した。
アンコール1曲目は小泉今日子「なんてったってアイドル」。観客もコールで参加し、会場が一体となった。
2曲目に披露したのは、なんとオーディションの課題曲でもあったAdoの「Tot musica」。会場にこの日一番ともいえるほど大きな歓声があがり、ライブ後Adoは自身のXに「アタシャTot musicaで感涙だよ」とポストした。
【メンバーの思い】
そして一人一人が自身の想いを語る時間へ。感謝の言葉やデビューからライブ当日までの気持ち、他のメンバーやファンに対する愛など、こみ上げる思いを涙をこらえながら話した。
もな「私たちが表現しようとしている熱量と同じ熱量で応援してくださっている方、本当に毎日元気をもらっています。今が人生で一番楽しいけど、これからもっともっと更新していきたいし、本物のアイドルになりたいので、ファントムシータは今日が始まりだと思っています!」
美雨「今までの人生で特にやりたいこともなくて、生きている意味がわからなくなってしまったこともありました。だけど、本当は自分はまだまだこんなもんじゃないってずっと思ってきたから、今この場に立ってこんなに素敵な景色を見せていただいているんだと思います。この景色を見て、私はちゃんと今生きているなって思えるし、こんな素敵なメンバーと一緒に、夢を全部叶えていきたいです。」
凛花「デビューから約一週間で武道館に立つというとんでも発言をして、賛否両論沢山の意見をいただきました。そのなかで、不安になっていろんなものと自分を比べ、凄くネガティブになって落ち込んだ日もありました。でも、それを乗り越えてここに立てているのは、皆さまそしてメンバーのみんなのお陰です。私たちはこの「ハイネ」を第一章とするならば、第二章も5人で走り抜けていきます!」
灯翠「私は21年間生きる中で、家以外に信用できる大好きな場所がなくて、学校とかいろんな経験をしてきたんですけどずっと違和感がありました。でもこうやって、今ファントムシータというグループにいることができて本当に嬉しいです。私の居場所が漸く見つかったと思っています。」
百花「小さい頃から歌やダンスが大好きで習っていて、本格的にアイドルやアーティストを目指してからほぼ毎日レッスンに通っていました。なので、友達と遊ぶ時間よりレッスンに行ったり自主練したりする時間の方が多かったかと思います。それでも、練習してきたことは無駄じゃありませんでした。今この場所に立てていることに本当に感謝しています。」などと、それぞれ熱い思いを語った。
アンコールの最後はオリジナル曲「ゾクゾク」。ファントムシータらしい、怖さと美しさを備えたパフォーマンスで、武道館という大舞台での初ワンマンライブの幕を華やかに閉じた。
【セットリスト】
ファントムシータ 1st LIVE 2024「ハイネ」
01. おともだち
02. 花喰み(はなばみ)
03. 好き好き大好き(戸川純cover)
04. 乙女心中
05. 魔性少女
06. ラムのラブソング(うる星やつらcover)
07. もな/SWEET MEMORIES (松田聖子cover)
08. 凛花/少女A (中森明菜cover)
09. 百花/歌舞伎町の女王 (椎名林檎cover)
10. 美雨/ジャックポットサッドガール / (初音ミクcover)
11. 灯翠/ちゅ、多様性。
12. asphyxia(Cö shu Nie cover)
13. HANAGATAMI
14. サイレントマジョリティー(欅坂46 cover)
15. キミと××××したいだけ
16. なんてったってアイドル(小泉今日子cover)
17. Tot Musica(Ado cover)
18. ゾクゾク
【重大発表】
①ファンクラブ開設
ライブの後半、メンバー自身の言葉でファントムシータのファンクラブ開設が発表された。ファンクラブ名は「ハイネ」。メンバーが書くブログや、チケットの先行発売、「ファントムノート」のプレゼントなど、特典が盛りだくさんだ。年額コース6,600円(税込)。月額コース550円(税込)。
②世界ツアー決定。
公演終了後、突如画面に映し出された世界ツアー決定のお知らせ。会場に大きな歓声が上がった。初の海外ツアー「Moth to a flame」は、2025年1月からスタートする。ファーストライブで日本武道館を沸かせた彼女たちの躍進に今後も注目である。
【感想】
オープニングからラストまで、ずっと心が震えた最高のライブでした!一曲一曲に込められた彼女たちの想いや熱量がダイレクトに伝わってきて、ライブが終わった今も余韻のなかにいます。オリジナル曲はもちろん、バラエティに富んだカバー作品の選曲も素敵で、どの曲もメンバーの個性が光っていました。圧巻のパフォーマンスと等身大の愛らしいMCのギャップも魅力的です。自分と同世代の彼女たちが日本武道館という大舞台で堂々と表現をする姿は本当にかっこよかったです。世界ツアー決定の発表を目にしたときは、思わず「わあ」と声が出ていました!今後のファントムシータの活躍も追っていきたいです!!
漆間虹美(東京藝術大学)https://x.com/komi__uruma
1曲目の「おともだち」から観客の心をつかみ、いい意味で震えあがらせてくれました。MCではうってかわってアイドルらしく、かわいいトークが展開されていました。メンバー全員が「ハイネ」のことを心から大切に思っていることが伝わってきました。
ソロ曲があったのが特に印象的でした。それぞれの個性が活かせる選曲となっていて、歌声を満喫することができました。それぞれ違った個性がありながら、歌唱力が全員驚くほど高かったです。また、何曲か他のアーティストのカバー曲も披露されていたのですが、本家とはまた違った良さがあったり、ファントムシータらしい表現がされていたりと、オリジナル曲とはまた違った楽しみ方ができました。始終圧倒されまくりのパフォーマンスでした。
小倉心優(早稲田大学)https://x.com/Miyu_O829frecam
文:漆間虹美
写真:ヨシモリユウナ(公式提供)
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